地域包括ケア病棟
地域包括ケア病棟とは、急性期の治療を終えられた患者さんが、ご自宅への退院準備を行う病棟です。日常生活動作すべてがリハビリであり、回復期リハビリ病棟のような手厚いリハビリを行うところではありません。
入院中は医療チームで患者さんのケアに取り組み、患者さんが安心してご自宅や施設にお帰りいただけるようにします。
また、在宅で療養中に急に具合が悪くなった場合や、介護者の事情(介護疲れ・病気療養など)によりご利用いただくこともできます。
地域包括ケア病棟の対象となる患者さん
- 急性期での治療を終え病状は安定したが、自宅や施設への復帰には、もう少し飲み込む力が回復し栄養が取れるようになりたい方。
- 急性期での治療を終え病状は安定したが、日常生活の動作・バランスに不安がのこり、リハビリ継続により安定が見込まれる方。
- 自宅や施設での療養中に入院が必要となった方で、急性期病棟での治療を必要としない方。
ご理解いただきたい点
- 入院の決定は当院医師が判断します。ご希望の方は入院中の主治医やかかりつけ医、ケアマネジャーにご相談ください。
- 地域包括ケア病棟を希望された場合でも、病状により当該医師の判断で地域一般病棟や他院の急性期病院へのご案内をさせていただく場合があります。また、地域包括ケア病棟に入院された後に病状によって、他院を紹介させていただく場合があります。
- 患者さんに適した退院先の環境を整えるため、介護認定やご自宅以外の転帰先については速やかに手続きを進めていただきます。
- 診療報酬制度により、在院日数は40~60日が限度となります。
入院後の療養について
入院中の寝衣については入院セット(寝衣、フェイスタオル、バスタオル)の利用も可能です。
1)転倒・転落の予防について
入院はご自宅とは異なった環境です。夜間トイレに行かれる際はライトをつけるなど足元が見えるようにしてから動きましょう。ご自身での移動に不安がある場合や看護師の見守りが必要な場合には、ナースコールでお知らせください。
室内履きは、スリッパ以外の履きなれた踵のあるシューズをご持参ください。
シルバーカー、ハンドウォーカー、杖など使用されている方は使い慣れた物をご持参ください。
2)薬の内服について
また、飲み忘れを起こさないようにするため、「お薬の数を減らしたい」「飲む回数を減らしたい」と思っておられる方は入院中にご相談ください。
3)せん妄について
入院されますと、慣れた環境と異なるため、認知症のような症状がみられることがあります。特に、認知症や不安がある方に現れやすく、認知症が悪化する場合もあります。できるだけ、昼寝をせず昼間は起きていただき夜間眠れるようにしましょう。また、目覚まし時計、カレンダー、いつもそばに置いているなじみの物などはご持参ください。
病棟内にはセキュリティカードがなければ入れませんが、離院の危険がある場合には、ご家族に連絡させていただく場合がありますのでご了承ください。
4)食べ物・飲み物を飲み込む機能について
高齢になると食べる時にムセたり、寝ている時のだえきの垂れ込みにより肺炎を起こしやすくなります。お口の中を清潔に保つことは当然ですが、飲み込む力を鍛えるリハビリやマッサージをしていただく場合があります。ご自宅でも引き続き実践し、誤嚥を防ぐお口のケアに取り組んでいきましょう。
療養中のアクシデントや対応について
療養中のアクシデントに対しては、速やかに対応し当院で継続療養が可能であるか、転院して急性期の治療を開始するべきか判断させていただきます。
1)入院中の転倒・転落発生時の対応
- 血液をサラサラにする薬を服用されている場合
常用されているお薬(血液をサラサラにする薬)などの影響により、転棟後の打撲や傷による出血が止まらなくなる場合があります。 診察をさせていただき、CT検査や出血を止める処置が必要と判断した場合には急性期病院へ転院していただく場合があります。 - 頭部を強く打撲したり骨折の疑いがある場合
転棟時に強く頭をうったり、腕や足の痛みや腫れを認めた場合には、CT検査や骨折の確認を行うためにレントゲン検査が必要となります。その場合には、夜間であっても急性期病院への転院をしていただく場合があります。
2)急変時の対応
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 消化管出血
- 誤嚥性肺炎等
その際には、初期対応を行い、急性期病院への転院をしていただく場合があります。
※転院先は、川崎医科大学総合医療センターだけではなく、その他の適切な病院となります