メディカルインフォメーション

高齢者医療センターってなに?

執筆者 部長(教授) 杉本 研

 “老年医学”という言葉は聞きなれない方も多いかと思いますが、高齢者の予防・治療・ケアをすべて行っている診療科が老年内科です。全国の大学でも4割ほどしか老年医学の教室はありません。 老年内科は、臓器別の治療と併行して体力的・精神的な機能障害に対する治療も行うことを専門とする科です。高齢者が急病で運ばれ、その治療が一旦落ち着いた後、元気な状態でご自宅に戻るには、もうワンステップ必要になります。臓器別の医師と協力しながら老年内科が専門としている部分に介入しますが、その介入とは、きちんと食べられているか、動いているか、寝られているかなどの身体面と、メンタル面などの問題点をチームで良くしてあげることが中心です。

 高齢者医療センターは元気な状態でご自宅に帰ることをサポートする、要介護者をつくらないことを目的とした病院であり、同時に将来の老年医学の専門職を育成し、老年医学に貢献する研究を行うための場所でもあります。

 病気などをきっかけに調子を崩し元に戻らない、認知機能に変化が出てきた、動いていたのに動けなくなったなど、必要な介入をすれば病気をする前の状態に戻られそうな方を専門的に診ていきます。

 まずは主治医の先生にご相談ください。

執筆者:執筆者 部長(教授) 杉本 研